ご予約
2025.06.18
最近、スマホの写真でふと自分の顔を見たとき、「あれ、なんだか目元が重たく見える…?」と感じたことはありませんか?
実はそれ、多くの方が感じる“たるみ”のサインかもしれません。
まぶたのたるみは「年齢のせい」と一括りにされがちですが、実はその背景にはいくつかの解剖学的な要因が関わっています。
顔の中でも、まぶたの皮膚はとても薄く繊細な構造をしており、年齢の影響が最も早く現れやすい部位のひとつです。
まぶたの皮膚がたるむ主な原因は、「皮膚の支持構造の衰え」と「皮膚自体の質的変化」にあります。
皮膚を内側から支えるコラーゲンやエラスチンは、加齢や紫外線、まばたきによる反復動作などで少しずつ減少・変性していきます。
これにより、皮膚は弾力や張りを失い、徐々に“ゆるみ”が現れます。
上まぶたの皮膚は、体の中でも最も薄い部位の一つであり、さらにまばたきによって一日に数千回も動かされます。
この構造的特徴と日常的な負荷の積み重ねが、たるみを進行させる要因になります。
ROOFとは、眉下から上まぶた中央にかけて、眼輪筋の深層に存在する脂肪層です。
この脂肪が加齢とともに前下方に移動・増量すると、皮膚表面に“厚み”や“かぶさり感”を与え、たるみ感が強調されるようになります。
また、ROOFが厚くなると二重のラインがぼやけたり浅くなったりする原因にもなります。
たるみが進行すると、目の開きそのものが悪くなることもあります。
皮膚がまつ毛の上に乗り、視野を遮るようになると、無意識に眉を上げて目を開けるようになり、おでこのシワや頭痛の原因になることも。
また、二重のラインが不明瞭になることで、「眠そう」「老けて見える」といった印象にもつながります。
皮膚のたるみの程度や目の開きの状態によって、以下のような治療法が選ばれます:
いずれの方法も、「ただ引っ張る」のではなく、原因に合わせた層ごとのアプローチが大切です。
目元は、加齢の変化が現れやすい一方で、適切なアプローチによって印象を大きく変えることができる部位でもあります。
気になる方は、まずは鏡の前で、優しく目元を触れてみるところから始めてみてください。
執筆者
医師野尻 岳
日本形成外科学会認定専門医
ご予約・お問い合わせはこちらから