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2025.06.12
美容医療が以前よりもぐっと身近になった今、「美容の手術って、実際どれくらい種類があるの?」というご質問をいただくことが増えてきました。
テレビやSNSでは目元や鼻の整形がよく取り上げられますが、実際には、顔や輪郭、年齢に伴う変化まで、悩みや目的に応じた多様な手術が存在します。
今回は、代表的な手術とその目的を整理し、美容治療を考える上で参考となるような全体像をご紹介できればと思います。
目元は印象を大きく左右するパーツであり、上下左右それぞれの方向に対する繊細なアプローチが求められます。
・二重形成(埋没法/切開法)
・眼瞼下垂手術
・皮膚たるみ取り(眉下リフトなど)
→ 目の開きを改善し、明るく若々しい印象に
・目の下の脂肪除去/脂肪注入
・目の下の脂肪の再配置(ハムラ法など)
→ “疲れ顔”や“影クマ”の改善、若返り目的に
・目頭切開
・目尻切開
・たれ目形成(グラマラスライン形成)
→ 横幅や角度を変えることで、より柔らかく華やかな目元に
鼻整形は、顔全体の中心に位置する“軸”としての役割を担う重要なパーツです。
アジア人特有の骨格構造に合わせ、縦・横・奥行きの三方向に立体的なデザインが必要になります。
・プロテーゼ挿入
・自家軟骨移植(耳介・肋軟骨)
・ヒアルロン酸注入(非手術的アプローチ)
→ 額から鼻にかけてのラインを通し、Eラインを形成
・鼻尖形成(だんご鼻の改善)
・鼻中隔延長術
・鼻尖縮小
→ 鼻先の高さ・長さ・細さをデザインし、洗練された印象に
・小鼻縮小術(内側/外側法)
・鼻孔縁下降術・挙上術
→ 鼻の広がりや左右差を整え、バランスの取れた鼻に
輪郭形成は、顔の“もたつき”や“たるみ”へのアプローチとして、脂肪や皮膚に対する処置を通じて、すっきりとした印象に整えます。
・頬・顎下の脂肪吸引
・バッカルファット除去
→ フェイスラインを明瞭にし、小顔感を演出
・糸リフト(スレッドリフト)
・HIFU(高密度焦点式超音波)
→ 非切開でたるみを引き上げ、自然なVラインへ
※骨切りなど骨格そのものへの外科的介入は、目的によっては専門機関で行われることがあります。
加齢によって起こる顔の変化には、皮膚の弾性低下・脂肪の減少や移動・骨の萎縮など、さまざまな要素が複雑に関係しています。そのため「引き上げる」「支える」「補う」という3つの軸で治療を組み立てます(肌質の改善治療やしわの改善治療を併用することでさらに効果的です)。
・フェイスリフト(SMAS法)
・ネックリフト、額リフト
・ブローリフト(眉毛上リフト)
・人中短縮術(上口唇リフト)
→ 靭帯や筋膜などの「構造的支持」を再配置し・固定することで、深い層からの若返りを実現
・脂肪注入(こめかみ・頬・法令線など)
・ヒアルロン酸注入
→ 骨格や脂肪のボリューム減少による“しぼみ感”を自然に補正
・ピーリング、スキンブースター、ボライト注射
・ボトックス注射
→エイジングケアは「一点集中」ではなく、「層ごとのアプローチ」を組み合わせることが鍵となります。
「美容手術」とひとことで言っても、その中には目的・部位・方向性ごとに非常に多くの手術が存在します。
これだけ多くの施術があると、何を選んでいいのか迷ってしまうのも当然です。
けれど、「疲れた印象を和らげたい」「フェイスラインをすっきりさせたい」――
そんな目的や理想を持って見直してみると、必要な治療が自然と絞られてきます。
近年は、「大きく変える」よりも「自然に整える」ことを希望される方が増え、一人ひとりの骨格やバランスに合わせた、オーダーメイドの設計が主流になっています。
当院クラスクリニックでも、その方の魅力を自然に引き出すような治療を大切にしています。
まずは、「どこをどう整えると、どう変わるのか」――
そんな視点から美容医療を知ってみるのも、第一歩かもしれません。
執筆者
医師野尻 岳
日本形成外科学会認定専門医
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