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2025.06.04
― 世界・アジア・日本、そして注目される「目」と「鼻」
美容医療が一部の人のものだった時代は、今や過去のものとなりつつあります。では実際に、どれほどの人が、どのような施術を受けているのでしょうか。今回は、国際的な統計データに基づき、美容医療の“いま”を読み解いていきます。
国際美容外科学会(ISAPS)の2023年調査によると、世界全体で行われた美容施術の総件数は約3,499万件にのぼりました。これは前年比で+3.4%の増加にあたり、さらに4年前(2019年)と比較すると約40%以上の増加という驚異的な成長率です。美容医療は、年々着実に「特別なもの」から「身近なもの」へとシフトしています。
総数の内訳を見ると、
となっており、注入や照射を含む「切らない美容医療」が引き続き拡大していることがわかります。
外科的施術の世界トップ5は以下の通り:
顔の印象を決める目や鼻の整形が、脂肪吸引や豊胸に続いて世界的にも選ばれていることがわかります。
国別の施術件数では、日本は世界第3位、アジアで最多の施術件数を記録しています(2023年)。韓国や中国と並んでアジアの美容医療大国であり、信頼性の高い技術や医療体制への評価が背景にあります。日本では特に「自然に」「控えめに」「バレずに整える」といったニーズが強く、埋没法やヒアルロン酸注入などの低侵襲かつ効果実感の高い治療が浸透しています。
施術全体が増えている中でも、目元と鼻の整形は特に注目されています。目元では、「埋没法」「眼瞼下垂手術」「たるみ取り」「クマ治療」などが代表的です。印象改善、若返り、メイクのしやすさなど、機能と審美の両面でのニーズが高まっています。鼻整形では、「クローズド/オープン法」「鼻尖形成」「鼻中隔延長」「軟骨移植」など、顔全体のバランスを見ながら立体感を出す高度な手術が求められます。特にアジア人は構造上の課題(低い鼻背・丸い鼻尖など)を補う繊細なデザインが重視されます。
美容医療は女性のためだけのものではありません。近年、男性患者の割合が着実に増加しており、ISAPS統計では全施術の約14〜15%が男性によるものとされています。人気があるのは「眼瞼下垂」「脂肪吸引」「ボトックス注射」など。“若く見せたい”よりも、“清潔感を出したい”“第一印象を改善したい”といったニーズが中心です。とくにビジネスシーンでの印象管理を重視する男性が、美容医療を活用するケースが増えています。
ここまでの統計からもわかる通り、美容医療は世界的に大きな広がりを見せており、日本もその中心にあります。特に目元・鼻・注入・脂肪吸引といった“顔の印象”や“輪郭”に関わる治療は、安定した人気と需要があります。
当院クラスクリニックでも、より幅広いニーズに応えられる様、常に新しい知見を吸収しながら診療体制を整え、それを皆様にお届けします。
美容医療に対する考え方も、「変わる」から「整える」へ。
いまの自分を少しだけ前向きにする選択肢として、適切な医療を届けていきたいと私たちは考えています。
執筆者
医師野尻 岳
日本形成外科学会認定専門医
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